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国鉄時代の在来特急華やかなりし頃の金沢駅 |
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元々北陸本線は東海道本線米原と信越本線直江津を結ぶ347.2キロの幹線で、関西と東北・北海道を結ぶ日本海縦貫線の一部を担う路線として、全線複線電化されている路線でした。
この区間は整備新幹線である北陸新幹線の延伸のため、平成27年3月に長野〜金沢間開業、令和6年3月に金沢〜敦賀開業に伴い、それぞれ並行在来線として第3セクターに移管された区間で、路線名である北陸地区のほぼ全区間を含む310.6キロ、当初区間の実に89.4%に及ぶ、信越本線も真っ青の解体劇となりました。そして直接の分岐線を持たない福井駅と金沢駅は、国鉄由来の駅として全国で初めてJR在来線のない県都駅となっています。
3セク化については福井、石川、富山、新潟の各県単位で分割し、JR九州のようなJR残置措置や在来優等列車の乗り入れは全く考慮されず、列車運行は部分的な越美北線、七尾線の流入の列車と僅かなJR東日本区間への直通列車を除いて分断されました。
流動の活発な福井〜富山間をはじめとした北陸三県内については今後も運用が分断されることはないと思われますが、天険親不知の介在する富山新潟県境付近などは当初より泊駅で列車運行が途切れています。また北陸三県内においても、新幹線駅のない中小規模の都市にとっては速達列車がほぼ壊滅し、お決まりの新幹線の陰の部分の問題が起きています。これは人口的、人文地理的、物理的な規模において全国のなかでも相当深刻な部類ではないかと思います。せめて将来的にも3セク4社が連携し、中距離輸送も考慮した一体的な運用が行われることを切に望みます。 |
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