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桜の季節の臨時列車AN8900形「さくら号」同士の離合(八津駅) |
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昭和61年国鉄角館線(角館〜松葉)、阿仁合線(鷹ノ巣〜比立内)を引き継いで暫定開業、平成元年に鉄建公団建設線である鷹角線を開業、鷹巣〜角館間100キロ弱を秋田内陸線として運営する第3セクター路線。計画線にありながら中間部を欠いた2つのローカル盲腸線を全通させた点では、地元待望の鉄路であり、全国に同じ境遇にあるローカル線沿線にとっては羨望の的でしょうが、両端含め沿線に大きな都市はなく、県都秋田市に直結するわけでもなく、かつ中間に長大分水嶺をトンネルを控えるなど元来人的流動自体が希薄な地区であることに対し、100キロに届かんとする長距離線という「重い」インフラを抱える、という状態ではやはり経営は厳しく、平成24年までの存続は決定しているものの、以降は予断を許しません。強みは観光地角館と角館駅での「こまち」接続なのでしょうが、その客を沿線に引き込む観光需要喚起が必要でしょう。渓谷美と鄙びた田舎の雰囲気が最大の魅力ですが、阿仁前田や米内沢の小又峡、森吉山などのトレッキングや縄文小ヶ田駅の秋田空港とのタイアップなどはパンチ力や現実性に難があるものでしょうか。角館の桜をメインとした臨時急行の運行などの積極策や、内陸線うどんの開発販売などの地元の後押しもありますが、何か起死回生の一打を、地元のみならず、各地の盲腸線沿線の希望のためにも放ってもらいたいものです。 |