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猪谷駅停車中の普通列車 |
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JR高山本線猪谷駅から分岐する、全国有数の「奥の細道」。昭和59年に誕生した全国で2番目の国鉄線転換による第3セクター路線です。猪谷駅の所在する富山県富山市の旧細入村地区をわずかに走った後は、岐阜県飛騨市の旧神岡町域のみを走る、まさに神岡の人のための鉄道。旅客利用者数は全国最低で、収入の大半は貨物運行によるものでした。しかし経営の基盤であった貨物輸送が平成16年にトラックに転換された時点でほぼ命運は決まり、平成18年11月末をもって廃止となりました。車窓は高原川に沿う渓谷でしたがトンネル区間が多く、また旅客線としては起点が県境を越えた富山県側にあったことも、利用しづらい点であったのではないでしょうか。「いろり列車」や自社の7駅にそれぞれ七福神を設置するなど、何かとアピールポイントを模索してきた努力は涙ぐましいほどですが、奥飛騨という山間地域の、鉱山ありきの路線として、よく存続してきたものという印象の方が強いのではないでしょうか。 |
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