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電化区間の主力車両817系の普通列車(筑前垣生駅) |
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北九州市の若松から筑紫野市の原田までを結ぶ66.1キロの福岡県内路線。北海道の日高本線と留萌本線が部分廃止となるまではJR線最短の本線でした。
元々筑豊地方の炭鉱と若松港を結んだ鉱物輸送を主眼とした路線で、若松駅は昭和初期から戦後にかけておおよそ最も貨物扱いの多い駅として賑わいました。昭和末期まで関西直通の寝台特急が博多を捨ててまで直通していたことも、ビジネス需要の証でしょう。
とは言え時代が進み石炭がエネルギーの主役でなくなると、福岡・北九州の都市圏輸送が主となり、現在は運用的に中間の折尾と桂川を境として三区間に分かれています。両端の若松〜折尾間は非電化複線の通称若松線、桂川〜原田間は非電化単線の通称原田線として区間内完結の運用を行っています。若松線が沿線人口も多く、比較的高頻度運転なのに対し、原田線区間は冷水峠の難所を抱え、区間内一閉塞のローカル区間です。そして中間の折尾〜桂川間は電化区間で、門司港・黒崎から篠栗線を経由して博多を結ぶ通称福北ゆたか線の一部として福岡都市圏輸送の一翼を担っています。「筑豊本線」という名称は沿線では日常あまり耳にしない言葉となってしまっているようです。 |