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大船渡線に三陸鉄道、岩手開発鉄道と3線乗り入れで賑わった頃の盛駅 |
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東北本線一ノ関駅から気仙沼市を経由して大船渡市盛駅までを結んでいた大船渡線の廃止区間です。廃止されたのは気仙沼以遠の沿海区間で、平成23年の大震災・大津波の影響で甚大な被害を受け、復旧断念による廃止となった区間です。途中陸前高田と大船渡は市の中心地区に代表駅がありましたが共に津波を受けて市街部諸共に壊滅的な被害を受けました。この区間は被災の2年後、同じく被災した気仙沼線沿海区間と共に、路盤の一部をバス専用道に改修したBRTとして仮復旧しましたが、令和2年4月に鉄路としては正式に廃止となりました。ちなみに同じ岩手県内の山田線沿海区間宮古〜釜石間はBRTによる仮復旧を地元が拒否して、中距離の公共交通が途絶えていましたが、8年後の平成31年に三陸鉄道により鉄路が復活。定時性や移動時の負担などで鉄道が勝りますがコストが大きく、輸送規模からするとバス転換が妥当とも考えられます。結果的に鉄路を死守した山田線と、輸送頻度による利便を選択した大船渡線・気仙沼線は、地元にとってどちらが正解とも言い難いところで、将来の結果論でも論じ切れない難しい選択だったのではないでしょうか。 |