▲鉄道雑学研究所北陸支所トップへ  ▲廃線・廃駅INDEXへ

北陸鉄道 金名線廃線跡 その7(補記)  (白山下その後)


北鉄金名線に関し、平成21年11月に起点の石川線加賀一の宮を含む末端区間が廃止されたのはニュースとして知られていますが、それに先立ってもう一つ消えたものがあります。
それは終点白山下駅舎。
前述のとおりサイクリングロードの基地として活用されたの機に部分補修はされましたが、傷みは激しく(前頁の画像でも屋根が、瓦はバタバタで、全体に歪んでいます)、平成20年末に解体されました。
翌21年には駅舎を模した新サイクリングターミナルが建設されています。ホーム跡や駅名標もありますが大幅に刷新されており、遺構というよりも、「駅があった証拠」という程度となりました。


平成21年8月、前頁の丁度1年後(正確には1年後の1日前)の白山下駅跡。
駅舎は改築され、同年5月より「サイクルステーション白山下」という名の施設となりました。レンタサイクルの受付と休憩所、トイレなどがあります。
実はこの訪問時は営業時間外で施錠されており、中には入れませんでした(周囲の雰囲気からまだ整備途上なのかと思っていましたが)。
覗き込んでみると窓口や路線図、時刻表、改札口など駅舎の体裁を整えており、また金名線在りし日のパネルも掲げられています。
地元の、図らずも失った「駅」と、さらに老朽化のためやむを得ず失ったその残滓としての「駅舎」への、愛着、執着、惜別などといった強い思いが感じられるようです。
ホーム側にはホームはありますが、再舗装されて面影は希薄です。ただ「駅舎」の裏面など、当時の駅舎形状を模しているようで、上屋形状などに名残が見られます。
保存駅舎にはなかった駅名標が追加され、「駅」をアピールしています。「手取キャニオンロード」には「三ツ屋野」という休憩所やチェックポイントはなく、これはあくまで金名線としての「駅名標」ということになります。
白山下という名は施設に受け継がれましたが「白山下駅」という名はこの幟で見られた程度でした。
この幟は駅舎が残っていた時代にはなかったもので、ここにも地元の駅への惜別の念が感じられます。
バス停自体はちゃんと残っています。
ただし旧駅舎時代はバス乗務員休憩所やバス待合所として利用されていましたが、レンタサイクル営業時間外は閉鎖されていたところを見ると、あの施設はあくまで「手取キャニオンロード」の施設であり、バス、ひいては北鉄にちなんだものではなくなっているようです。
(盆休み期間中だったので、閉鎖されていたのはたまたまかもしれませんが。)
そしてこの加賀白山バスにはしっかりと「鶴来駅前ゆき」が一日7本(8本のダイヤパターンのうち学校休業時運行と運休が各1本ずつあります)走っており、またこの白山下を経由する「瀬女ゆき」が8本(うち1本は学校休業時運休)あります。
これが現在の金名線の上下線にあたります。利用者数は決して多くはないそうですが、思ったより便数が多く、なんとなく嬉しくなりました。
その /  /  /  /  /  / 7(補記) / 「廃線・廃駅」白山下駅 へ  
▲鉄道雑学研究所北陸支所トップへ  ▲廃線・廃駅INDEXへ