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北陸鉄道金名線 白山下駅

石川県白山市(旧鳥越村地区)にある北陸鉄道金名線の終着駅、白山下駅の駅跡です。「保存」された訳でもなく、「残った」という感じ。そのため建物としてはやはりくたびれた感は否めませんが、逆にそれが現役当時を髣髴させ、駅舎だけを見ると、今にも列車が到着しそうな雰囲気です。
北陸鉄道金名線の、その名が示すものは、「金沢-名古屋線」。つまり白山麓を越え、究極的には名古屋と金沢を結ぶという壮大な計画でスタートした路線でした。
(多分にスローガン的な「意気込み」を示した線名と言われており、融資をための看板とも言われています。路線は名古屋ではなく越美南線郡上八幡駅を目指していたそうで、また計画線には金沢から越美北線越前大野駅を経由して現在の樽見鉄道線とを結ぶものもあり、その一部を成したとも言えます。)
しかし白山の遥か手前のこの地で路線は終着となり、ご多分に漏れず赤字盲腸線となりました。そして昭和62年、区間内の橋梁の橋脚に亀裂が発見されたのをきっかけに3年の全面休止を経てそのまま廃線へ。沿線住民にとっては疑問符のつく突然の廃止と言え、全国ニュースにもなりました。豪雪地帯であるこの沿線では、鉄道は特に冬の生活の生命線と言っても過言ではなく、決して納得のいくものではなかったのでしょう。
保存状態が決して良いとは言えないこの駅舎ですが、そうした住民の思いが込められているかもしれません。いつまでもこの駅らしく、ひっそりと、残っていてもらいたいものです。(H16.7撮影)
(※サイクリングロードの延伸後、平成20年に駅舎は解体され、平成21年より駅舎を模したサイクリングターミナルとなりました。(「廃線・廃駅」北鉄金名線編補記参照))
駅名板は新調されたもののようですが、いまだに「駅」を冠したあたり、付近住民の鉄道への思いが感じられます。 駅舎内は最低限の待合スペースが確保されているほかは、除雪器具などの物置となっています。出札窓口も現役当初のまま残っています。
線路は撤去されていますがホームは残っています。広かったであろう構内は、今はバスの待機・転回スペースに使用されています。 駅裏から見た鶴来方向の路線跡。以前はかなり荒れていましたが、ルートが見て取れる程度にはなりました。金名線跡のサイクリングロードの進延整備や車道に利用する計画があるのかも。
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