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七百駅に到着した普通列車 |
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三沢市から西方の十和田市を結ぶ、青森県内の短距離ローカル民鉄。「とうてつ」と略されますが、「とうてつ」は一時期事業者の改変で正式社名となったこともありました。「観光電鉄」の名のとおり、JR線と十和田市駅からの接続バスを介した十和田湖観光にも利用されましたが、実際は短距離生活路線の色彩が強く、それは通学駅を示す駅名が多いことにも表れていました。路線開業は大正期で、当初は中間駅が七百と高清水しかありませんでしたが、中間駅を増設する際、隣接駅間距離が1キロ満たなくても高校や大学に最も接近する地点に駅を置くなどの工夫が見られました。それでも経営事情は厳しく、鉄道利用者の減少はもとより、多角経営のうちスーパーマーケット部門の撤退、バス事業も長距離系統を主にじりじりと便を減らし、リストラクチャリングが進んでいました。路線について最終的に決定打となったのは平成22年末の東北新幹線新青森開業。起点接続のJR三沢駅は3セク化され、かつ優等列車も全廃された結果、都市圏とのアクセスが極めて悪化したうえに、新規に開業した七戸十和田駅に観光・ビジネス需要を奪われてしまい、平成24年3月末を最終営業日として90年に渡る歴史に幕を下ろしました。 |
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