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連接低床車グリーンムーバー(広島駅停留所) |
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中四国地方最大の都市広島市の都心部を中心とした路線網を張り巡らす民鉄会社。鉄道・バス・不動産の主に、事業を展開していますが、鉄道に関してはいわゆる「市電」では路線延長、輸送人員とも、国内で突出したナンバーワンを誇ります。軌道線は6路線9系統が運行され、JR線へは代表駅広島駅のほか、横川駅、西広島駅へ接続し、また中心市街地や世界遺産原爆ドーム前を通るため観光・ビジネスの中心的移動手段となっています。さらに軌道線網から直通する鉄道線宮島線では隣の廿日市市宮島口へ、そして航路松大汽船を介して世界遺産安芸の宮島へ達するため国内外から観光客が利用します。また宮島線はほぼ全線JR山陽本線に並走しますが、民鉄らしく駅間距離が短いためにJR駅間の需要をこまめに拾え、さらに主要駅ではJR各駅に接続するため、通勤通学にもJRとはライバル関係の反面、相互補完的な関係にあるとも言えます。
広島電鉄の前身は明治期発足の広島電気軌道で、そのため戦中の原爆被災も経験しています。都市部の壊滅的な被害状況の中で、宮島線の西部区間を翌日に運行させ、途方に暮れる市民を大いに勇気づけました。さらに翌年までに本線・宇品線・皆実線を、その後も江波線・横川線・白島線と猛スピードで復旧させ、見事な戦後復興を遂げた広島市の先駆となりました。現在においてもこの市電網は広島市の象徴的な存在の一つであり続けていると言えるでしょう。 |
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