北陸支所ではホームの画像を撮る際、以下の5つ要素を念頭に置き、それらをなるべく多く満たすようにしている。
@ 駅名標を駅名が分かるようにフレームインさせる
A カメラを駅舎、または跨線橋や構内踏切など駅舎とホームを結ぶ通路の方向に向ける
(構図や光線などの関係でそれが難しい場合は、ホーム待合室など構築物の多い方向に向ける)
B 跨線橋がある場合、カメラを跨線橋のコの字型の内側が見える方向に向ける
C 上屋下に駅名標のある駅は上屋下で撮る
D レール、車両、人影など駅らしいと思えるものを、支障のない範囲で極力フレームインさせる
うちBについては、跨線橋はコの字型の背中側に向けてホームを撮ると、跨線橋橋上の通路部分が迫るように写って何となく頭でっかちになり、また広角レンズでは階段の写り方がどうにも不揃いでバランスが悪くなって、全体的に不細工な絵面になる(と思っている)という理由からだ。(Cについては単にホームが立派に見えるので、という理由。)
なので保田駅では「跨線橋のコの字の内側が見える側のホーム端」に降りたい。そのためには先頭車両から降りるのがよいのか、最後尾車両から降りるのがよいのかを把握しておきたい。
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コの字型の跨線橋の「背」側から撮ったホーム。駅名標が跨線橋に近いほど画面のバランスが悪くなる(ような気がする)。(今回2日目に訪問の外房線太東駅) |
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コの字型跨線橋の内側から撮ったホーム。なるべく駅名標を入れつつこの向きで撮るようにしている。何となく絵面が安定する(ような気がする)。(今回3日目に訪問の総武本線旭駅) |
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スマホで情報を集めると言っても北広島支所をはじめ、単に駅の画像を扱っているサイトなどの画像をなるべく多く見て情報を整理すること。
求めるものがはっきり写った画像はなかったが、まずホームは島式1面2線のホームであることが分かった。
そしてホーム画像の風景の山並みから推測するに、駅舎は海側にあり、その駅舎を正面から見た画像では、左手側に向かって階段が上がる跨線橋が見える。ということは跨線橋のコの字の内側は、上り方向を向いていることが推測された。
結論として下り列車で保田駅へ向かう場合、先頭車両から降りればコの字型跨線橋の内側から、跨線橋に向かいながらホームなどを撮影でき、跨線橋の階段へも最短距離となる、と判断された。
(尚北広島支所は、おそらくその後ページが更新されており、現在は当時見た画像は差し替えられています。)
ということで上総湊から乗った列車では、先頭車両に乗り、さらにその先頭に立って前面を注視する。竹岡、浜金谷と過ぎて、保田駅が見えてきた。
「げっ。」
思わず声が出そうになった。下り列車に乗っているのに、見えてきたホームの跨線橋の階段が見える。つまり、
「カギ型…!」
跨線橋はコの字型ではなく、両側の階段の向きが相互に反対を向くタイプだった。確かに駅舎側の階段は上り方を向いていたが、肝心のホーム側の階段が下り方を向いているのだ。
内房線の跨線橋はここまでずっとコの字型で、このカギ型の跨線橋はここまでの下車駅にはなかった。ただ実は嫌な予感がよぎっていたのは、ついさっき停車したひとつ手前の駅、浜金谷駅の跨線橋がこのタイプだったからだ。
今更6両編成の最後尾には向かえない。大袈裟ではなく1秒も無駄にしたくない駅で、想定とは真反対のホーム端に降りることになってしまった。絵面はもちろんのことだが、跨線橋ホーム側の階段へも、一番遠い側に降りることになってしまった。
とにかく早足でホーム上を撮影しながら改札を出て駅舎を撮影する。そして再入場する前に交換する特急列車が入線してきた。これが通過し終わると待機している乗車列車が発車する。とにかく駅中を闇雲に撮りながら再度跨線橋を渡り、乗ってきた列車に乗り込む。ワンテンポあってドアが閉まった。結局ホームの撮影については、想定の構図を得ることは叶わず、列車は保田駅を発車した。
今画像整理していると、この駅だけは発車した列車の最後尾から撮った画像がある。使える可能性のある画像を少しでも増やそうとしたのか、意図は覚えていないが、何となく無念さは伝わってくる。
ちなみに余談だが、ここまで長々とホーム撮影時の拘りと保田駅での「取材」状況を書いてきたが、この後上下列車を組み合わせてこの前後を行き来している中で、実は保田駅でまた列車交換があって1分停車したので、難なくホームへ出て、思うようなホーム画像を撮ることができた。
何だったんだと思いはするが、当時の自分も撮影しながらホッとしたというよりも、何だか脱力した記憶がある。
ここまでの長文も何だったんだというところだが、まあとりあえず、ホーム画像についてはこんな感じで構図を決めています、ということで。 |
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先頭車から上り方向へ歩きながら撮影。跨線橋の階段が遠い。「駅と駅構内」のホーム画像、コレ使うしかないかー、と思いながら撮った一枚。 |
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発車後の最後尾から撮った、無念の離脱の保田駅。跨線橋の階段は相互に反対を向いた形状だった。 |
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さて保田のバタバタとした「取材」の次は安房勝山で下車、折り返してその次に降りたのが浜金谷。
実はこの駅はちょっと楽しみにしていた。鋸山観光の下車駅として何かの雑誌の特集でこの駅名を知り、駅からのその鋸山が見えるらしかった。
ホームから下り方向に鋸山の稜線が見える。ここは上総の地で、あの稜線の裏側、保田駅のある地は安房の地となる、国境の山並みである。それもそれだが、鋸山の特徴であるギザギザとした鋸のような稜線に、石切場がここからでも望める。遙か先だがそれでも中々の迫力。保田と異なり滞在時間約40分と少々ゆとりのある駅だったので、駅跨線橋からしばしこの風景を眺めていた。
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鋸山の麓の浜金谷駅。跨線橋から眺める鋸山の迫力の稜線。右側に見える岩肌には、陰となっているが、石切場が見える。 |
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今日の予定はあと4駅。浜金谷を出ると、下り方向に進んで岩井、さらに進んで那古船形、戻って富浦と下車したが、15時半前の岩井駅の時点で既に冬の日差しは随分傾き、16時50分頃まで滞在した富浦駅で日没してしまった。
五井で立て直した新計画では今日の最終取材駅、館山の到着時刻は当初計画より約1時間繰り上がっているのだが、日没時刻の想定を誤っていたらしい。館山駅は薄暮での撮影となって、本日は終了。
というわけで、結果としての本日の足跡は以下の、こんな感じ。五井で変更したメモは紛失してしまったし、当時の時刻表も捨ててしまったので、デジカメのタイムスタンプを元に経過を追ってみたもの。
その駅で最初に撮った画像と最後に撮った画像のタイムスタンプなので、列車の到着出発時刻ではない。ただ特に到着時刻は、まあまあニアだとは思う。(ただ、おそらくデジカメの内蔵時計がどうも4分ほど早かったのではないかとは思います。)
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【初日の修正行程】
池袋5:23→7:26五井(24)7:50→7:59姉ヶ崎(14)8:13→8:19長浦(12)8:31→8:36袖ヶ浦(12)8:48→8:50巌根(23)9:13→9:21木更津(30)9:51→10:07青堀(52)10:59→11:03君津(24)11:27→[特急さざなみ]→11:40佐貫町(11)11:51→11:56大貫(9)12:05→12:21竹岡(13)12:34→12:37上総湊(33)13:10→13:26保田(2)13:28→13:33安房勝山(44)14:17→14:26浜金谷(43)15:09→15:13保田(1)15:14→15:21岩井(8)15:29→15:38那古船形(25)16:03→16:23富浦(27)16:50→16:59館山 |
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本日はこの館山泊である。この頃になるとさすがに楽天トラベルなどで事前にwebで宿を押さえるようになっていた。これまでのこの旅行記にあったような、到着後にさあ宿探しだ、というアナクロなことはやらなくなっている。スマホを持つようになったことなども含め、時代というより自らの進歩なのかもしれない。ただまだこの頃は楽天市場やアマゾンなどのネットショッピングにはまだ抵抗があったと思う。
押さえてある海沿いのビジホへ向かう。すっかり日も落ちたが駅の西側は海沿いのリゾートエリアと言った雰囲気の街並で、中々リッチな「異世界感」がある。
経度緯度にもあるが、夏季は大体19時過ぎまで取材可能なので、日の短い季節はこんな時刻に物足りなさのある撤収となる。その分宿に早く入れ、長めの休憩はできる。暑くもないので消耗も少ない。
まあ観光色の強い地区なので、飲食店も多いだろうし、今回はゆっくり夕食を取ってくつろごう。(ただこの日の晩は何を食べたか記憶も記録もない。正月3が日只中なので店も開いてなかったのかも知れず、コンビニ弁当だったのかも。)
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すっかり日も落ちた館山駅の西口。まだ18時前。 |
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南国リゾート地の雰囲気満点の館山駅西側の街区。突き当たりが駅。 |
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◇2日目(館山→茂原)
さて2日目。2日目の行程は以下。2日目は房総半島をぐるっと回って、外房線に入る。外房線は一部取材済なので飛び飛びに、茂原まで。
緑字は下り方向で達した駅だが、安房鴨川で外房線に入ると上下列車が逆になる。そのまま房総半島を反時計回りに回る方向を緑字、逆の時計回り方向をオレンジ字とした、つまり進む方向で到達した駅が緑、戻る方向で到達した駅がオレンジだ。 |
【2日目の行程】
館山6:31→6:37九重(44)7:21→7:29千歳(20)7:49→7:52千倉(29)8:21→8:36和田浦(63)9:39→9:45南三原(47)10:32→10:49太海(35)11:24→11:30江見(11)11:41→11:51安房鴨川(4)11:55→12:15上総興津(30)12:45→13:07 安房天津(40)13:47→13:52安房小湊(19)14:11→14:21安房鴨川(19)14:40→[特急わかしお]→15:04勝浦(17)15:21→15:32御宿(32)16:04→[特急わかしお]→16:11大原(30)16:41→16:51太東(17)17:08→17:11長者町(38)17:49→18:08茂原 |
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出発の館山駅は結局十分に日が昇らずにやはり薄暮状態で、西口のみを再取材して出発。最初の下車駅は隣の九重で、小一時間の滞在。
2日目の行程は南房総の中でも半島の先端付近が主なため、列車本数が最も少ない区間となる。そのため各駅の滞在時間は全般に長く、また駅規模も小さいため「取材」に要する実働時間も短くなる。自ずと待機の時間が増える。温暖な南房総とは言え、冬の早朝はさすがに寒い。九重駅と次に降りた千歳駅の印象が結局コレ。「寒かった」。
次の下車は千倉駅。房総半島最南の駅であり、冒頭で触れた自分の感覚では本州で最も遠い駅。ただ特急終着駅ということで幼少期よりその駅名は聞き及んでいる。こういう駅に到達した時の感慨は深い。
そして千倉まで来ると気温も暖かい、…というわけではなく、単に日が十分に昇ってきたからだろう。今日も天気がよい。
房総各主要駅には東京駅からの距離と自駅の位置を示した千葉県をカタチどった看板があるのだが、房総半島は個人的な経験値が少ないためか、都市の位置把握がかなりいい加減だったことが分かった。
ざっくり言うと認識が時計回りに少しずつズレており、実際の安房勝山辺りに館山、館山辺りに千倉、千倉辺りに安房鴨川、安房鴨川辺りに勝浦があるという認識だった。多分「内房線」「外房線」という名前に引きづられたのではないかと思う。だから千倉が外洋側というのはこの時に初めて知ったように思う。 |
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館山駅の、千葉県地図の看板。どうしてもチーバ君に見えるのはそれだけチーバ君のデザインが秀逸なのでしょうか。 |
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朝日が昇り始めた九重駅。晴天だがそれだけに寒い。 |
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房総というか関東最南の駅、千倉駅。個人的感覚では本州で最も遠い駅。 |
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南三原駅の近くで見かけたレトロ看板。錆もいい感じ。 |
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