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本州屈指の秘境駅だった押角駅 |
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山田線茂市から龍泉洞で知られる岩泉町の中心部を結ぶ38.4キロの盲腸線。開業は昭和17年から47年にかけてと比較的新しい路線ですが、当初の計画では三陸海岸沿岸の小本まで達する予定線の一部で、開業当初は小本線を名乗っていました。さらにこの計画は路線中間の浅内付近(落合)から国境峠を越えて馬淵川沿いに約55キロ北西の東北本線(現IGR)小鳥谷駅を結ぶ路線網の一環で、一部は着工もされましたが、本州有数の人口希薄地帯での構想は現状を見るまでもなく頓挫しています。
開業した岩泉線はというと、全国屈指のローカル線となり、国鉄再生法では周辺道路未整備という理由で存続されていました。元々沿線人口が極少なうえに途中に峻険な押角峠越えを控え、かつ目的地の岩泉町もどうやら沿海地区との繋がりが強く、流動にマッチしていないようです。さらに起点の山田線そのものが超閑散路線で、かつ岩泉線自体も大部分が一日3往復という状態では、民鉄・三セク線を含めても輸送密度が全国最低となっている実情も当然の帰結かもしれません。平成22年の押角峠岩泉側での土砂崩れにより列車脱線事故が起き、全線が運休となりましたが、そのまま翌年東日本大震災が発生、ついにJR東日本は24年3月に路線復旧断念を宣言し、平成26年4月とうとう廃止となりました。 |
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