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越ノ潟の渡し その1 

富山県高岡市から射水市(旧新湊市)にかけて走る3セク線万葉線の終点は越ノ潟という港。越ノ潟は大きな貿易港や臨海工業地帯、基幹漁港、または港湾都市といった、いずれの地でもなく、実は港湾入口のひっそりとした小集落といった環境。路線はここでプツリと途切れています。

実は万葉線はこの先富山新港の対岸で昭和55年に廃止となった富山地鉄射水線と同一出自で、神通川河口西方地区の四方(よかた)を経由して現在の市内線新富山までを結んでいた路線でした。昭和41年に富山新港の開削のために堀岡(新港東口)〜越ノ潟間が海中に没し、越ノ潟以西が加越能鉄道に移管、それを現在3セク万葉線が運営しているという経緯です。つまり越ノ潟は一中間駅だったわけです。

そして現在分断された越ノ潟〜堀岡間約0.8キロは、全国でも稀な事例として、渡船で代替運行されています。この渡船は一部周辺住民を除き元々有料でしたが、券売のための手数料の方が嵩んだために現在は運賃無料、さらに平成15年までは24時間運行を行ってきており、現在も深夜帯はジャンボタクシーによる輸送を行っています。新港開削ともなると県の補償も相当に手厚いようです。

そしてこの県営渡船(通称越ノ潟フェリー)、実は開削された新港を一跨ぎする車道橋新湊大橋が建設中で、これを含む臨港道路富山新港東西線が開通した暁には廃止となることが決定しています。(※注:その3末尾)

というわけで平成20年7月に体験してみた越ノ潟フェリー、「駅と駅構内」のおまけページとするか、「廃線・廃駅」のコーナーに入れるか迷った挙句、この旅行記のコーナーに入れて見ました。ちょっと異端ですが、ご容赦を…

万葉線の終点越ノ潟駅到着。鉄道線ではありますが、専用軌道同様の低いホームです。
線路の途切れるその先にある建物が「富山県営渡船越ノ潟発着場」。徒歩30秒程度のアクセスです。
駅前にあった新港東西線の車道バイパス完成図。新港を越える新湊大橋は日本海側最大の斜張橋となります。シャトルバスなどで徒歩の足代わりもそちらに整備されるのでしょう。自転車はどうなるのかは分かりませんが。
富山県営渡船越ノ潟発着場。その佇まいは古い木造駅舎に相通じるものがあります。左は事務所とトイレです。
右側が歩行者用待合室と二輪車用通路です。
待合室内。壁には時刻表や乗船上の注意書きなど。運賃がないので窓口などはありません。
時刻表。かなりのフリークエント運行ですが、平成15年間まで24時間運行だったというから、その補償の強烈さを実感します。
乗船時の注意書き。内容はごく当たり前のことですが、記載がロシア語、英語併記です。
乗船した船は「こしのかた」
乗車定員ですが、結構大きな船です。
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