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駅と駅構内北陸支所の場合〜「駅INDEX」について〜

◎木造駅舎について
さて三つ目は「木造駅舎」です。北陸支所の駅INDEXには「駅舎」欄をつくりました。
自分の駅巡りのきっかけの一つとなったのが、旅行記の中でも触れましたが、「木造駅舎」に魅せられてしまったから、ということがあります。何よりのきっかけは因美線知和駅で、また姫新線美作千代駅や肥薩線大畑駅、米坂線小国駅などなど魅力的な木造駅舎はまだまだ全国に残っています。そしてWeb上には同じ嗜好の方がどうやら少なからずいるようでした。自分を含めたそうした方たちに、「木造駅舎の駅」を一目で示したかったわけです。

そのためこの駅舎欄、実は開設当初ここは「木造駅舎」しか表記していませんでした。ただそれも路線により間抜けになったりもするので、「コンクリート造」など、次第に全駅に何かしら躯体構造を表記するようにしていきました。

ただ、「木造駅舎って?」と考えた場合に、自分の思いとは異なる「木造駅舎」がふと思い浮かびました。越美北線の終点九頭竜湖駅です。このログハウス駅舎、確かに「木造駅舎」であり、これはこれで嫌いではない。ないのですが、ただコレを「木造駅舎」とは呼びたくはなかった。やはり木造駅舎とは昭和の前半以前から、あの自分の思う「木造駅舎」が当たり前であった頃からの生き残り組をそう呼びたかったわけです。
そこでちょっと思案した結果、木造であるないとにかかわらず、表現に困る新しい駅舎は「改築駅舎」と表記もしてみました。
するとまた意図とは異なる駅が思い浮かびました。北越急行のしんざ駅などで、これも「開業来の木造駅舎」、つまり「改築駅舎」ではない木造駅舎です。これらは不承不承当初は「木造駅舎」としていたように思います。
木造駅舎、因美線知和駅 木造駅舎、米坂線小国駅
ログハウスに改築された越美北線九頭竜湖駅 平成の新規開業木造駅舎、北越急行しんざ駅
なお当初の駅INDEXページの構成で駅舎については、「駅舎」とは別に「構造(形態だったか?)」欄があり、そこには「地平」「橋上」「高架」などを表記していました。
都市近郊線は「橋上」が連続するなど、地域性が出てよかったのですが、全国的にはほとんどの駅が「地平」ですし、「地平」を並べる虚しさと、大きな駅では地平と高架の複合もあり、苦慮することもありました。

そして結局その後駅INDEXの再修正を行い、「駅舎」欄を一つとしました。
ただこれはよく自覚していますが、駅舎の躯体構造、構造・形状、用途、機能などをごちゃ混ぜにした欄となりました。
高架構造の駅舎が躯体構造としてコンクリート造なのはほぼ当たり前ですし、いわゆる木造駅舎が地平駅舎なのも当たり前。旧来のコンクリート駅舎が高架構内に接続している以前の尾張一宮駅などはどう表そうか迷ったり、待合室のみの簡易機能のみの駅舎でも古い木造駅舎の駅事務室を撤去した駅舎もあり(山陰本線西浜田駅や大船渡線下船渡駅など)コレは「木造駅舎」としました。

結局修正したこの「駅舎欄」は「この駅舎を示すのに、どの表現が最も端的か」の分類と考えることにしています。
現在の表記は下表のとおり。実は駅INDEXを再修正した際、同時にその摘要をこのコーナーで示そうと思っていながらずっとできていなかったことでした。今更ですが、大体以下から適当なものを選んでいます。異論やご指摘があればメールでもいただければ。
『駅INDEXページ「駅舎欄」摘要』
木造 昭和期以前からの木造駅舎。すでに駅舎機能がホーム上や跨線橋上などに移転していても正面に木造駅舎が残っているものも含む。
姫新線 美作千代駅
新木造 改築や路線開業などによる、おおよそ平成築の木造駅舎。多少古くてもログハウス駅舎なども含む。
陸羽東線 大堀駅
RC/S 国鉄時代から(民鉄の場合も相応に古いもの)の鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨(S)造駅舎。コンクリートブロック造や軽量鉄骨造なども含む。
七尾線 七尾駅
新RC/S 改築や路線開業などによる、おおよそ平成築の「RC/S」分類の駅舎。
山陽本線 天神川駅
橋上 改札・コンコースがホームより上階にある駅舎。駅舎本体が路線を跨がない半橋上駅舎も含む。
北陸本線 東金沢駅
高架 高架構造の構内下に改札・コンコースがある駅舎。高架直下でなくても構内が高架の駅も含む。高架下でも自駅乗り場のない駅や構内が高架ではなく築堤である駅は含まない。
千歳線 千歳駅
高架下 自駅の乗り場のない新幹線などの高架線と一体となっている駅舎。
信越本線 北長野駅
築堤下 築堤上にホームのある駅で、築堤に埋め込まれているような駅舎。
信越本線 長鳥駅
駅ビル 駅ビルを持つ駅。おおよそ施設として駅が主であるもの(駅があるがゆえに商業施設としての駅ビルが付属するもの)。
中央本線 甲府駅
合築 市町村のコミュニティ施設などと一体となっている駅舎で、施設が駅として従(少なくとも対等以下)のもの。駅舎本体にテナント的にコミュニティ施設等を入居させたものは含まない。
羽越本線 金浦駅
簡易 駅事務室がないか、または極小の、ほぼ待合機能しかない駅舎。
只見線 会津桧原駅
車両流用 簡易駅舎のうち、貨車や緩急車などを改造した駅舎。
宗谷本線 下沼駅
地下 地下に構内・駅舎機能のある駅。構内が地下(やトンネル内)にあっても駅舎が地平にあるものは除く。
仙石線 あおば通駅
なし 駅舎のない駅。駅用と思しき待合室があるがホームから大きく離れている駅や駅舎然とした待合室がホーム上であるもの、駅正面の施設がただの通路入口であるものも含む。
越美北線 越前田野駅
電停 軌道線の駅。軌道線でも構内が専用軌道である場合は除く。
福井鉄道 福井駅前駅

もっともこれらも中々分類として迷うものも多く、明確にカテゴライズできていないものも少なくありません。そればかりか判断がぶれることも多々あり(笑)
しかしこれを言っていけば「そもそも“駅舎”って?」ということになるわけですが、それは次の機会にでも。
まあこの「駅舎」欄は木造駅舎や国鉄的なコンクリート造駅舎を探す際の目印にしてみてください。
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