四国や九州には国鉄時代を思い起こさせるような古めかしい施設や設備、備品を比較的多く見かけることがあります。水飲み器というものは、それ自体が前時代の遺物のような存在となりつつありますが、それゆえに残ったものには古き良き装飾の美しさを持つものがあるわけです。四国山地の山中の駅、阿波池田駅には古めかしい設備がホーム上にいくつかありますが、この水飲み器がその中でのまさにキング。ただ惜しむらくは「生きた化石」ではなく、既に使用を停止された「化石」であることでしょう。