本格的に「駅巡り」を始める前、「駅」というものに興味を持ち始めたきっかけがこの因美線の知和駅を訪れたことでした。開業当時の雰囲気を色濃く残す、素晴らしく鄙びた木造駅舎で、あまりに長閑な周辺環境も相まって強く印象に残った駅舎でした。駅舎の改築そのものはやむを得ないと思いますし、もちろん否定するものではありませんが、この駅舎のように何かさりげなく感銘を残すような、そんな存在となれるような改築であって欲しいと願います。そう言いながらも、この知和駅舎だけはこのまま、昭和の空気をパッケージしたまま、いつまでも存在し続けて欲しいと思ってしまいます。