幼少期、東京発の九州ブルトレ群は特別な存在でした。牽引機関車は当時他のブルトレには消えていたヘッドマークを掲げ、一部個室のA寝台や食堂車を含む編成はやはり他のブルトレよりも長く、そして列車番号も1レから順に振られる、そんな別格の列車群でした。しかし時代は流れ、なんでテコ入れが出来なかったのか、と苛立ちすら覚える間に、聖域解体とばかりにざくざくと削減され、この画像をトップに使用している頃、ついに最後の「富士/はやぶさ」併結列車の廃止をもって完全に姿を消しました。まさか来るはずがない日と思っていた反面、ご当地列車ではない分どこか非現実的な目で見送ったこれらの列車達ですが、存在感の幻想はさておいても自分にとって本当に夜行列車の有用性は他に代え難いものがあります。「ブルトレ」なんて言葉も最早限りなく死語と化してしまいましたが、こうして子供たちが「前時代の遺物」ではなく、「一憧れの列車」としてテールマークを愛しげに撫でる様を見ていると、なんとなく嬉しくもなりました。 |
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