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信越本線の廃線跡(米山〜笠島) その3

笠島駅から下り方、青海川方向への旧線跡は草に覆われていたので、再び道路に戻り、旧線跡を横目に下り方へ戻っていくと、トンネルの手前に小さなコンクリート橋とレンガ積みの橋台が残っていました。橋の向うに見えるのは現役線の第1笠島トンネルです。

廃橋のさらに左手に、やはり草に覆われた、レンガ積みの旧米山第6トンネル笠島側坑口が確認できました(下の画像)。草が枯れれば橋を渡ってこの旧線跡も辿れそうなので、多分こちらの坑口も塞がれているのでしょう。ここからはよく見えませんでしたが。
笠島駅前(裏手)から、今度は上り方、米山方向へ。車道はここで途切れ、笠島海水浴場の歩道に差し掛かります。奥に見えている丘が、先ほど俯瞰した米山第5トンネルのある田塚鼻です。
ちなみに右手に、海へ延びる影は、笠島駅からよく見える、特徴的な赤い鳥居が連なる祠のある岩場です。多分名前のある岩場でしょうが、特に調べませんでした。
さらに進むと海水浴場の砂浜も途絶え、この遊歩道も犬走りのような狭さとなります。海と現路線が殆ど接するような、その隙間を遊歩道は続きます。
一部そうしたスペースも尽き、桟橋となっている箇所もありました。

この日は晴天ながら風が強く、この桟橋では波をかぶりそうになるほどでした。画像が煙っているのも、風で舞い上がる波しぶきによるものです。
そしてさらに進むと並んだ2つのトンネルポータルが近づいてきました。左が複線のコンクリートの坑口が現第2米山トンネル。そして右の、半分くらいの大きさの坑口が旧線の米山第5トンネル笠島側坑口。

当然現役トンネルの方が立派ですが、このレンガで積まれた旧線跡の坑口も中々見事。意匠性では確実にこちらに軍配が上がります。

そして遠目にも見えていたとおり、このトンネルは塞がれてらず、内部に入ることができます。
ようやく旧線トンネルに入ることが出来ました。下部がレンガ、上部がコンクリートで巻きたてられています。
両側の壁を這う電線は、おそらくここが米山第1トンネルから笠島駅へ通り抜けることができたころの遊歩道の照明用だったのでしょう。今は真っ暗で、昼なのに少し不気味な雰囲気…。
そしてトンネルを出ると右手に国道パーキングから見下ろせたコンクリートの小屋が現れました。鉄道遺構だったかというと、何のことはない、トイレでした。やはりこれも遊歩道由来のものでしょう。
そしてこれが「地上」レベルから見た米山第5トンネル米山側坑口。意匠は笠島側と全く同じ。ここから、SLとまでは言わないまでも、ディーゼル車両でも行き来していたら、かなり絵になるシーンでしょう。レンガ積みの坑口はやはり魅力的です。
海岸を横目にさらに上り方へ進むとすぐに次のトンネル、米山第4トンネルに突き当たります。「突き当たる」というのはご覧のとおり、やはりこのトンネルも通行不可となっており、封鎖されていたため。

このトンネルは今日見てきた米山第1、第5、第6トンネルとは異なり、コンクリートのポータルでした。施工年が異なるとは思えないのですが、もしかしたら一度崩落した過去があるのか、または何かの事情でレンガ積みポータルの先をコンクリートで延長したのかもしれません。
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