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鹿児島本線の過去を偲ぶ・阿久根駅

肥薩おれんじ鉄道、旧JR鹿児島本線の阿久根駅の古い乗車位置案内です。現在は3セクローカル線となり、普通列車しかやって来なくなったこの駅も、JR初期までは有数の特急街道の主要駅として多くの優等列車が発着していました。おそらく国鉄期のものが多いようですが、その痕跡が見られます。(H23.8撮影)


「明星(*1)7号」「なは」。共に関西発鹿児島市本線経由で西鹿児島まで達していた寝台特急でした。 「有明(*2)自由席」。鹿児島本線系統の特急列車。JR化後「つばめ」が登場するまで路線のエース列車でした。
「かいもん」(*3)は鹿児島本線の昼行・夜行の急行列車。国鉄時代の特急「有明」の補完列車でした。 これは明らかにJR化後のもの。JR後の九州在来特急の代表格「つばめ」。路線の3セク化、愛称の新幹線化により遺構の仲間入りとなっています。
*1… 「明星」: 名車583系の代名詞特急「月光」の流れを組み、関西と鹿児島本線方面を結んだ寝台特急。最盛期には新大阪・大阪〜博多・熊本・西鹿児島を客車・電車混成の7往復体制で結んでいました。関西ブルトレのオーラスとなった「なは」に近い運行経路ですが、当時「なは」は京都と西鹿児島を結ぶ1往復の電車寝台で、性格の一応の住み分けがありました。大所帯の「明星」は昭和50年代後半に急激に減便され、昭和59年に「あかつき」との併結の半人前列車1往復に、同時に「なは」が客車化されました。そして昭和61年にはその「なは」を残して「明星」は廃止となりました。「明星」と「なは」に主客転倒のような措置が取られたのは、沖縄への配慮とともに、「明星」の列車名がインスタントラーメンの代表銘柄とかぶっていたことも一因なのではないでしょうか。
*2… 「有明」: 鹿児島本線系統の九州島内特急。国鉄時代は門司港・小倉・博多〜熊本・西鹿児島間を結び、国鉄末期には急行「かいもん」「きんなん」などを取り込んで短距離・短編成・高頻度運転を行い、現在の在来特急の運行形態のはしりとなりました。JR後は新車ハイパーサルーンがいち早く導入されましたが、さらに新型の787系登場時には鹿児島方面は新設特急「つばめ」に譲り、福岡と熊本を結びました。九州新幹線全通後も新幹線を補完する格好で、博多〜長洲間を僅かばかりの本数ですが運行されています。
*3… 「かいもん」: 九州島内鹿児島本線系統の急行列車のうち、北九州と鹿児島方面を結んだ長距離系の列車として特急「有明」を補完しました。昼行・夜行があり、夜行は20系寝台車と12系座席車の混成編成が用いられました。昭和55年には昼行列車は全て特急「有明」の格上げ統合され、残った夜行列車もJR後の平成5年に「ドリームつばめ」となって格上げ・廃止となりました。
(「なは」「つばめ」は徳山駅編を参照
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