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北陸のもうひとつの「しらさぎ」
北陸地方の電車で「しらさぎ」と言えば東海地方と北陸地方を結ぶJRの特急列車が浮かぶと思いますが、かつて温泉電車として親しまれた北陸鉄道加賀地方南部の路線の中の、加南線を走った「しらさぎ」もありました。日本製初のアルミ合金車両として昭和38年に製造された6010系を使用し、ロマンスカーとして運行された列車です。
北鉄加南線は国鉄大聖寺駅と加賀の名湯山中温泉とを結んだ路線で、加賀温泉駅の整備と共に流動の変化の煽りを受けて昭和46年に廃止となりました。「しらさぎ」はというと加南線廃止後大井川鉄道に移籍し、「しらさぎ」のプレートもそのままに活躍しましたが、平成13年に引退、現在は地元の山中町(現加賀市)に引き取られ、「道の駅山中温泉ゆけむり健康村」に保存されています。(H20.6撮影)

無塗装のアルミボディの6010型。登場時のインパクトは大きかったことでしょう。無塗装車ならば7年先輩にステンレス車の国鉄EF30電気機関車がありますが。 「しらさぎ」のプレート。大井川鉄道移籍後もはずされることなく運行されました。
昭和38年製造のプレート。ちなみに国鉄の「しらさぎ」は昭和39年運行開始なので、1年先輩ということになります。 加南線と「しらさぎ」の沿革。路線を、車両を語る上で各々欠くべからざる存在です。
車内。転換クロスシート、非冷房ですが、特別な車両としての貫禄は感じられます。 運転台は客室と同レベルにあり、明確に区切られていません。これは大井川でのワンマン対応のための改造跡かもしれません。
車内には大井川鉄道時代の名残も散見されます。 山中のエース列車と巨大山中漆器の並び。ちなみにこちらの車両は前照灯が3灯です。
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