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ONE DAY in えちご 〜ある日えちごで〜 その1

JR東日本新潟支社に「えちごワンデーパス」という切符があります。新潟支社管内の特定区間の普通列車に1日乗り放題というフリー切符で、平たく言うと青春18切符の新潟県内版みたいなもの。この「みたいなもの」は、かなり重要なアスタリスクなのですが、それは後述。それでその切符、いつか使ってみようかなと思っていたのですが、ようやく決行の日を得ました。休日出勤の振り替えで、週中日に休みが取れたわけです(…が上司の一言でそれもさらに振り返られたのだが)。
これは平成16年7月、「北陸支所」開設目前、あの辺りの最終調査の日のお話です。

夜行急行「きたぐに」で現地入りも検討したが、それでもスケジュールがキツそうなので、車を使うことにする。「ワンデーフリー区間」西端の宮内駅の初電からスタート。
実は新潟エリアの取材は今回が初めてではない。しかし雨に祟られるのが常だった。が、今回は好天だ。夏季の6時台。既に真昼の明るさで、今日も暑くなりそうである。と言うより既に暑い。

宮内駅の窓口はまだ開いておらず、まずは隣の長岡駅で下車。切符に刻印してもらおうと改札で宮内駅から乗車の旨を伝える。

「140円です。」
「…は?」
「いや、期限切れですよ、この切符。」

切符にはしっかりと過日となった“当初の”振休日が記入されている。この切符、JR西日本エリアでは旅行代理店でも入手不可能で、実はしばらく前にわざわざ新潟県内の某駅で購入していたのだが、購入時、使用日を聞かれ、不思議に思いながらその日を答えていた。
が、実は当初から勤務再変更の嫌な予感がしていたので、その日付は変更可能かは確認しており、「一度だけなら変更可」の返事をもらっている。その話を改札の駅員に伝えても、

それは日付より以前の場合で、この日付が過ぎたらこの切符は無効となります。購入駅の説明が悪かったのかも知れません、申し訳ございませんが。」

明確な規則がある以上“言った”“言わない”の話をしても当然埒は開かないし、聞けば聞くほどどうにも自分に分が悪い。期日が過ぎれば無効となる。思えば当然である。「青春18切符みたいなもの」と認識していた自分の落ち度であると納得せざるを得ない。仕方がないので宮内からの運賃を払って改札を出、窓口で新しいワンデーパスを購入、再度改札を通る。駅員と顔を合わせ、お互い苦笑いである。
朝日をいっぱいに受ける宮内駅。快晴である。
初っ端から「関所」となった長岡駅の改札。
いきなり躓いたが気を取り直して「苦行」再開。
ところでこの辺りの信越本線、この朝の時間帯にして思ったより本数が少ない。新潟からそれぞれ新津、豊栄、内野の間は終日20分ヘッドとなるのだが、この辺りはデイタイム1時間ヘッド以下である。まだ本数の多い朝の時間帯に上手くこの近辺をパスして新津へたどり着きたいが…。

果たして私は9時に既に新津駅に達していた。予定を大幅に上回るスピード到達である。が、それもそのはず、実は加茂駅でついついやってきた特急型車両の快速にふらふらと乗ってしまったのである。しかもこれは予定の逆方向。上り方へ進む予定が、下り方へ、しかもその途中の下車予定駅数駅もすっ飛ばしての到達である。やれやれ。

というわけで正午。新潟駅にいるはずだった私は、かなり手前の羽生田駅にいた。
この駅では一時間近く時間が空くので、ここでブランチをとることにする。それにしても暑い。外は夏真っ盛りの太陽が照り付けている。
新潟、特にこの中越地区は私が行くと本当によく雨が降る。あまつさえ他地区からこの地区に入った途端に雪が積もりだしたこともある。さしたる雨男ではないのだが、どうもこの地区とは折り合いが悪い。しかし今回は灼熱の好天である。まぁ歓迎しよう。今思えば暑い暑いと言っていたこの頃は、呑気なものである。状況は後に一変するのだから。

さて羽生田駅。古い木造駅舎であるが、待合室は密閉されてクーラーが効いている。ここでしばし休憩し、なんとなく人心地ついた。これから午後の部であるが、この季節、まだまだ日は長い。かなり遅れを取っているが、あわよくばワンデー区間北端の村上まで行けはしないだろうか。
特急型車両を使用した信越本線の快速「くびき野」。新津駅にて。
新津駅では「SLばんえつ物語号」を見送る。というより、気付いた途端に発車していった。
ここでちょっと話を逸らして、「えちごワンデーパス」という切符の簡単な説明を。
まず名前の通り一日に限り、特定区間のフリーの乗車券として使える。一日というのは特に利用規定には書いてはないので、青春18切符と同じで24時以降の最初の停車駅までかと(ご利用予定の方はJR東日本にご確認ください)。
利用可能な区間は信越本線宮内以北、上越線小千谷以北、越後線出雲崎以北、羽越本線村上以南、磐越西線日出谷以北、米坂線小国以北と弥彦線、白新線。
青春18切符と異なるのは、これは「フリー乗車券」であり、特急券などを併用して特急や新幹線も、グリーン車だって乗れること。つまり上記区間に上越新幹線長岡以北も加わるわけだ。
その他レンタサイクルが無料になるなどの特典もあるほか、一部駅の券売機でも購入できる。(窓口が開く前の早朝から、この切符の骨の髄までしゃぶろうと事前に新潟県で購入していた私は、当日この事実を知りかなり唖然とした(笑))。
もう一点留意事項は、期日の問題。繁忙期を除きいつでも使えるが、切符個々には期日が入る、この意味を解さないと、…私のようになります(笑)。しかし1枚1500円。これはかなり格安なのでは。

また「えちごツーデーパス」というのもあって、こちらは、やはり文字通り二日間有効で、利用可能区間もほぼ新潟県内全域に広がる反面、土日しか利用できない。こちらは2500円。こうした諸条件というかハードルのある格安フリー切符、うちの所長(「鉄道雑学研究所〜苦行.net〜」管理人)などは地区さえ折り合いが付けば色めき立ちそうなものであるが(笑)。

閑話休題。さて苦行は後半へ。
これがえちごワンデーパス。
古い三条駅舎を再訪、亀田駅は駅舎が閉鎖され、改築工事に入っていた。変わるもの、変わらないもの、様々である。
カンカン照りの陽射しではあるが、白新線に入った頃から次第に風が強くなってきた。涼風である。新崎駅ではホーム上で過ごすが、気持ちの良い風だ。若干雲が出てきて陽射しも和らいできた。なんとも快適である。思わず伸びをする。

と思っていたら東新潟駅では辺りがにわかに暗くなってきた。まだ夕方4時前、いくら東に来たからと言って、夏至を過ぎたばかりのこの時期に、暗すぎる。デジカメも気をつけないと手ブレする暗さである。まだ3時間くらいはいけると思っていたが、再び日が射す気配はない。仕方がないので先はあきらめ新潟駅に戻り、帰りがけに越後線を取材することにする。

新潟で越後線に乗り換えるとついに雨が降ってきた。「新潟は結局これかい…。」しかし宮内からさらに車で帰路に着かねばならない。明日も仕事だし、切り上げるにはよい口実、よい頃合だろう。
解体目前の亀田駅舎。既に仮設駅舎が隣接していた。
炎天下の羽生田駅に列車が到着。
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