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「落書き」
落書きはいけません。しかし…。何か惹かれるものを感じてしまいました。「よーこそ蛸島へ」。“よー”と伸ばした屈託のない歓迎の言葉に、さらにこれは全国、いや県内においてでも、“はるばる来た”という地点となる、この蛸島という地のポジションを表しているのかもしれない。「なにもないけど」。どんな地にも何かしらあるものですが、敢えて挙げない謙虚さ。そして華々しくはない、この地の素朴さ。「男がいっぱい」。書いたのは女性だったのでしょうか。この“オチ”も、この地の漁村的な荒々しさを表現しつつ、どことなく愛らしい。この落書きの主は地元民でありながら、蛸島という地を冷静に捉える目を持ち、かつ茶目っ気たっぷり方だったのではないだろうか。そんなことを考えながら、しばしほのぼのと見入ってしまいました。…いや。いやいや。やっぱり落書きはいけません。
(のと鉄道蛸島駅)
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