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大田市駅の跨線橋

山陰本線の大田市駅は2面3線の構内の駅で、両ホームは跨線橋で結ばれています。その跨線橋は外観的にはそれほど特徴はありませんが、実は明治23年製、現存最古の鋳鉄製門柱を持つ跨線橋です。古い跨線橋の門柱と言えば、「鉄道省」の刻印が象徴的なものですが、この跨線橋の支柱には特に文字はありません。「帝国鉄道庁」時代らしく、そのためでしょうか。こうした古さはよく見ると随所にうかがえます。尚JRで「現存最古」を名乗るのは、実はこの大田市駅跨線橋より新しい武豊線半田駅のもの。大田市駅の跨線橋は竣工後、移設により大田市駅に来たためだとか。(H22.7撮影)


構内跨線橋全景。スレート屋根であり、一番目立つ橋の外壁が補修されており、特別に古いものには見えません。 現存最古の鋳鉄製の門柱。他駅では駅舎の橋上化などで跨線橋が廃止されても門柱や橋脚だけ保存されることもあるため、もしかしたら現存というより現役最古なのではないでしょうか。
入口にあった跨線橋の説明書き。これは実は平成16年時点では存在せず、平成19年の石見銀山の世界遺産登録を機に設置されたのだと推測します。 跨線橋内部。階段部分も塩ビシート張りで古さはさほどありません。しかし壁は古めかしい木製です。
通路部分。この幅の狭さも時代の表れでしょうか。鉄筋の梁と壁もトラスを組んだ鉄骨で補強しています。 木枠の窓がそのまま残っています。ネジ式の留め金も、最近のお子様は知らないのではないでしょうか。
門柱と同じ形状の、やはり古めかしい橋脚。特に文字はありません。よく知られる「鉄道院」のさらに前の時代だからでしょうか。 平成15年の撮影ですが、駅の遠景での跨線橋。通路の背の部分は特に補修されず、立板が見え、古く見えます。
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