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日豊本線の過去を偲ぶ・佐伯駅

日豊本線大分県内最南の主要駅佐伯駅には新旧のホームに懐かしい優等列車の乗車位置案内標示があります。手書きのもの、活字のもの、文字の小さいもの大きいもの、はっきり残っているもの、消えかけているもの様々ですが、懐かしい国鉄の名残が見られます。(H20.8撮影)


「富士」。5の文字は5号車でしょう。見えづらいですが大型の標示です。 「彗星4」「11」の標示。活字です。彗星4号11号車でしょうが、同じ表示の「にちりん」もありました。
彗星1号9号車の標示。これはこの駅の標準的なものらしく、手書きのものです。 「下りにちりん(*1)○号9号車」の表記。号数は読み取れませんが、多本数列車で「下り」の表記はかなり古いものではないでしょうか。
「日南」は「急行日南(*2)」で、明らかに国鉄期のもの。電車・客車とあったはずですが、どちらとの表記はありません。 「ふじ・彗星3号3号車」。寝台特急「富士」はなぜか仮名表記をよく見ます。「彗星」の方が読み取りづらいと思いますが…。
*1… 「にちりん」: 国鉄時代の日豊本線の代表的な電車特急で、博多・小倉〜大分・宮崎・西鹿児島を結びました。JR後には新車883系を登用した特急「ソニック」に大分までの高頻度区間を譲り、現在は運行区間を分離して、ローカルな雰囲気の強くなる別府以南、南宮崎・宮崎空港以北を結んでいます。国鉄期は昭和55年までは西鹿児島行きにDCキハ82が充当され、またその後も夜行特急「彗星」間合いの583系も運用に入るなど車両バラエティが豊富で、JR後も787系「にちりんシーガイア」や夜行の「ドリームにちりん」など派生列車を持ちました。
*2… 「日南」: 博多・小倉から宮崎方面を結び、大分方面までの急行「ゆのか」とともに特急「にちりん」を補完した急行列車。475系昼行列車のほか、寝台車を含む客車夜行列車もありました。鹿児島本線の急行「かいもん」と対を成すように、昭和57年に夜行便を除き格上げ、「にちりん」に吸収廃止、夜行便も平成5年に「ドリームにちりん」に格上げ廃止となり全廃となりました。その「ドリームにちりん」も平成23年に廃止となりましたが、日豊本線は鹿児島本線と異なり高速道路が並走しないため、「ドリームつばめ」より随分長く運行され、日豊線筋の夜行列車の有用度を示し続けました。またこの上り列車の大分駅超長時間停車は「日南」時代からの伝統とも言えるものでした。
(「富士」「彗星」は宇部駅編を参照)
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